【2026年】教育移住で海外に出る前に、親が一緒に住めるかを制度で確認します
学校のリストはできている。学費も調べた。それでも、渡航の時期だけが決まらない。この記事の監修者のりーさんとAyumiも、決めるまでに5年前後かかっています。
止まっている場所は、たいてい同じところです。調べたのが子どもの側だけで、親が住めるかを調べていません。子どもに入学許可が出ても、親の滞在資格は別に要ります。この記事では、保護者の滞在資格・就労・住める年数を、5カ国の移民当局の公式情報で並べます。
この記事の結論
- 教育移住の行き先は、「親がその国に住めるか」で先に絞れます
- 保護者向けの滞在資格は、4カ国とも現地での就労を認めていません。渡航後の収入は日本側で組みます
- 親が住める年数は、子どもの年齢で切れる国があります。イギリスは12歳、オーストラリアは18歳が区切りです(2026年9月時点)
教育移住の行き先は、親が住めるかで絞れます
- 学校から選ぶと、親の滞在資格で候補が消えます
- 先に確認するのは、保護者の滞在資格・就労・住める年数・子どもの就学要件の4つです
学校の資料には、カリキュラムと学費は載っています。親がどの資格でその国にいられるかは載っていません。
母子留学では、母親の滞在資格がそのまま暮らしの可否になります。子どもの入学許可が出てから親の資格を調べると、そこで候補が消えます。順番を逆にします。
国ごとに制度の建て付けが違います。保護者向けの資格を用意している国があり、用意していない国もあります。上の4つを書き出すと、家庭の条件に合わない国が外れます。
教育移住そのものの全体像、つまり国内の制度で足りるかや帰国後の進路は、教育移住の始め方とビザ・学校選びにまとめています。
[体験談|Ayumi] 我が家は子どもがまだ小さかったため、最初から親も一緒に移住する前提で候補国の検討をスタートしました。そのため、国選びの初期段階から学校の情報だけでなく「保護者がどのようなビザで滞在できるか」を必須条件として確認していました。先に親の滞在条件をクリアにしておいたおかげで、せっかく気に入った学校があってもビザが出ずに諦めるといった二度手間を防ぎ、現実的な候補国だけに絞り込むことができました。子どもに帯同する移住では、学校選びと同じかそれ以上に、まず「親の滞在資格」を最初に確かめることを強くおすすめします。
保護者の滞在資格は、国ごとに別の制度で決まります
- 保護者向けの資格を持つ国と、持たない国があります
- カナダには保護者専用の制度がなく、親は自分で就労か就学の資格を作ります
5カ国を横に並べます。順位は付けません。家庭の事情で、向く国が変わるためです。
| 国 | 保護者の滞在の形 | 子ども側の要件 |
|---|---|---|
| マレーシア | Student Pass保持者の保護者向けのSocial Visit Pass。実父母・法定後見人・養父母・祖父母・7歳未満のきょうだいが対象 | Student Pass(学生ビザ)。3歳以上の非マレーシア国籍で、就学前から高等教育まで |
| オーストラリア | Student Guardian visa(subclass 590) | 学生ビザ。原則18歳未満 |
| ニュージーランド | Guardian Visitor Visa。同時に1人の親または法定後見人にだけ発給されます | 学生ビザ。17歳以下、または学校の1〜13年生に在籍 |
| イギリス | Parent of a Child Student visa | Child Student visa。申請時に4〜11歳で、独立学校(independent school)に在籍 |
| カナダ | 保護者専用の制度なし。訪問・就労・就学のいずれかの資格を親が自分で取ります | 就学許可。親が就労か就学を認められていれば、カナダ国内にいる子どもは免除されます |
2026年9月時点。出典は各国の移民当局(本文中のリンク)。
マレーシアでは、3歳以上の非マレーシア国籍の学生にStudent Passが出ます。保護者向けのSocial Visit Passの手数料は、90マレーシアリンギット(RM90.00)です(2026年9月時点)。祖父母と7歳未満のきょうだいも対象に入ります。
オーストラリアの資格はStudent Guardian visa(subclass 590)です。イギリスはParent of a Child Student visaで、子どもが申請時に4〜11歳であることが条件になります。
ニュージーランドのGuardian Visitor Visaは、子どもが複数人いても同時に1人にしか出ません。両親がそろって同じ資格で住む形は取れません。
カナダには保護者向けの資格がありません。親のどちらかがカナダで就労か就学を認められていれば、国内にいる未成年の子どもは就学許可なしで初等・中等教育を受けられます。海外から申請する子どもには、原則として就学許可が要ります。親の資格が先に立つ組み立てです。
国ごとの総合的な比較は、10カ国を5つの軸で並べた海外教育移住ランキングにあります。

保護者が働けるかは、滞在資格の種類で決まります
- 保護者向けの4つの資格は、いずれも現地での就労を認めていません
- ニュージーランドは、海外の雇用主や顧客の仕事を遠隔で行える場合があります
- カナダは親が就労許可を取る道があり、その場合は国内にいる子どもの就学許可が免除されます
就労の可否は、滞在資格の条件に書かれています。国ごとに次のように分かれます(いずれも2026年9月時点)。
- マレーシア:保護者は就労・事業・政治活動ができません
- オーストラリア:subclass 590の条件は「No work」で、就学も3ヶ月を超えられません
- ニュージーランド:現地での就労は不可。海外の雇用主や顧客の仕事を遠隔で行える場合があり、就学は12ヶ月で3ヶ月までです
- イギリス:有償の仕事も就学もできず、公的給付も受けられません
- カナダ:親が就労許可を取る道があり、取れた場合は国内にいる子どもの就学許可が免除されます
保護者向けの資格で渡るなら、渡航後の収入は渡航前に日本側で組みます。日本の仕事を続けるなら、その働き方が滞在資格の条件に触れないかを、渡航前に移民当局に確認します。あわせて、勤務先に海外居住中の雇用契約と税の扱いを確認します。
現地で働く前提で家計を組むと、資格の条件と食い違います。費用の総額の作り方は、マレーシア教育移住の費用の内訳にあります。
相談先には「この国で、親はどうやって収入を作りますか」と聞いてください。答えが資格の名前と条件まで下りてこないときは、もう一段たずねます。この問いは、Global Edu Malaysiaにも同じように向けられるものです。
マレーシアが候補に入っている場合は、初回30分の相談で収入の前提から話せます。初回30分は無料です。
親が住める年数は、子どもの年齢と在籍で切れます
- イギリスは、子どもが12歳になると保護者の滞在が終わります
- オーストラリアの保護者の資格は、原則18歳未満の学生が対象です
- ニュージーランドは子どものビザと同じ期間で、マレーシアは公式ページに年齢の区切りがありません
滞在できる年数は、子どもの年齢とビザで決まります。
| 国 | 期間の決まり方 | 終わる条件 |
|---|---|---|
| マレーシア | 子どものStudent Passを前提にした資格です | 公式ページに年齢の区切りの記載はありません |
| オーストラリア | 原則18歳未満の学生の保護者が対象です | 子どもが18歳になると対象から外れます(例外的な事情がある場合を除きます) |
| ニュージーランド | 学生ビザと同じ期間です | 子どもの学生ビザが切れたとき |
| イギリス | 子どものビザの期限か、12歳の誕生日の早いほうです | 子どもが12歳になったとき |
| カナダ | 親が取った資格の期間によります | 親の資格が切れたとき |
2026年9月時点。出典は各国の移民当局(本文中のリンク)。
イギリスは延長しても、子どものビザの期限か12歳の誕生日の早いほうまでです。12歳の区切りは、延長では動きません。この資格から、国内で別のビザに切り替えることもできません。
年齢で切れる国では、その先は子どもが寄宿に移るか、親が別の資格を取り直すかになります。7歳で渡航すると、イギリスでは親子で住めるのが5年です。同じ学校に通い続けても、住み方が途中で変わります。
同居から寄宿に移るとき、学校を変えずに済むかは学校の受け入れ次第です。寄宿の有無と受け入れ年齢は、学校ごとに確認します。マレーシアでは、ジョホール州のMarlborough College Malaysiaが3〜18歳を受け入れ、寄宿を設けています。カリキュラムはイギリス式とIBです。
渡航する学年でも、使える資格が変わります。イギリスの保護者の資格は、申請時に子どもが11歳までです。中学から渡る場合、この資格では親子で住む形を組めません。
候補国は、5つの質問を公式サイトで確認して絞ります
- 5つの質問は、各国の移民当局の公式ページで今日確認できます
- 5つを書き出すと、家庭の条件で続けられない国が外れます
制度の原文は、各国の移民当局のページにあります。次の5つを、そこで自分で読みます。
- 保護者向けの滞在資格はあるか。正式名称は何か。 名称が分かると、条件のページにたどり着けます
- 就労の条件はどう書かれているか。 海外の雇用主のための遠隔の仕事が対象外かどうかまで見ます
- 滞在できる期間は何で決まるか。 子どもの年齢で切れるかを確認します
- 保護者は何人まで滞在できるか。 ニュージーランドは同時に1人だけです
- 生活資金はいくら必要か。 イギリスは月1,560ポンドを最大9ヶ月分です。ニュージーランドは月1,000ニュージーランドドル、住居費を前払い済みなら月400ニュージーランドドルです(いずれも2026年9月時点)
5つを書き出して残った国について、学校を見に行く順番になります。
相談先を選ぶときは、「この国では、どんな家庭が続かないと感じていますか」と聞いてください。向かない家庭の条件を答えられる相手なら、自分の家庭を当てはめて考えられます。
渡航後は、更新と帰国のタイミングが生活を決めます
- 保護者の資格は子どものビザを前提にするため、転校や休学で足元が動きます
- 子どもが年齢の区切りに達する前に、次の形を決めます
- 帰国という選択肢を先に置いておくと、動きやすくなります
渡航したあとに効いてくるのは、更新と、区切りの年です。
マレーシアでは、Student Passの新規と更新の申請先が、学校の所在地に応じた移民局になります。学校を変えると、申請先も新しい学校の所在地で決まります。保護者の資格は子どものStudent Passを前提にしているため、転校の前に両方の手続きを学校に確認します。マレーシアでの選択肢は転校という選択肢とその手順にまとめています。
渡航後に効く確認項目は5つです。
- 子どものビザの満了日と、保護者の資格の満了日を並べて書いておく
- 年齢で切れる国では、区切りの1年前に次の形を決める
- 転校を検討するときは、先に保護者側の申請先が変わるかを確認する
- 現地校の成績表を毎年、原本で保管する
- 住む地域の近くにある日本人学校と補習授業校を、帰国に備えて調べておく
帰国も選択肢のひとつです。日本人学校の中学部の卒業者は国内の高等学校の入学資格を持ち、高等部の卒業者は国内の大学の入学資格を持ちます。日本人学校は令和6年4月15日現在で世界49カ国・1地域に94校あり、マレーシアには4校あります。
Global Edu Malaysiaは、軌道修正が必要になったケースや帰国に至ったケースも踏まえて助言しています。戻る道を先に確認しておくと、現地での判断が早くなります。
[体験談|りーさん] 実は我が家の場合、渡航準備の段階で保護者側の手続きが止まるような想定外のトラブルは特にありませんでした。事前に必要な書類を細かく確認し、ゆとりを持ったスケジュールで前倒しに行動していたおかげだと思います。
候補国を絞り、家族の滞在の形を書き出します
- 候補国の移民当局のページを1つ開き、保護者向けの滞在資格の正式名称を書き写す
- 同じページから、その資格の就労条件と終わる条件を書き写す
- 子どもが年齢の区切りに達する年を、カレンダーに書き込む
マレーシアは有力な選択肢のひとつです。ただ、親が働かずに数年暮らす設計が立たない家庭には向きません。そこを先に確かめてから、学校を見に行く順番になります。
候補にマレーシアが残ったあとは、学校の入学時期と保護者の資格の申請時期を、家庭ごとに突き合わせる段階です。初回30分の相談では、候補校と渡航予定時期をお知らせいただければ、その2つを並べて確認できます。